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生体肝移植について
アラジール症候群で胆汁うっ滞の状態が長く続くと、
子どもの成長に必要な栄養の吸収が阻害され、成長障害や
場合によっては知的障害が起こる場合があります。

また血中のコレステロール値が異常に高くなるケース
(高コレステロール血症)もあり、この状態が進行すると
血栓ができやすくなり、成長とともに将来的に、
心筋梗塞・脳梗塞など、命を脅かす症状に至ることもあります。


投薬などの治療によってこれらの症状が改善しない場合、最終手段として
肝臓移植を勧められる場合があります。
(現在、日本では脳死移植の母数が非常に少なく、待ち期間も長いため
家族による生体肝移植が現実的な手段となります)

移植の適応になるには医師はじめ移植のプロチームによる厳しい
審査をクリアすることが必要になります。
ドナー(臓器提供者)が健康で、移植する臓器のサイズなどの条件が
レシピエント(患者)と合っていること。
ドナーが誰からも強制されず、自分の意思で提供を申し出ていること。
移植によって得られる成果が、移植手術のリスクと比較して大きいと判断されること。
さまざまな条件を満たして初めて、移植が可能となります。


もちろん肝臓移植は、大きな手術ですからそれなりのリスクがある上、
アラジール症候群の場合、心臓にも問題を抱えているケースが多く
その場合は普通の人よりも手術のリスクは高くなります。
移植後の拒絶反応(レシピエントの身体がドナーの肝臓を攻撃する)や、
それを抑えるための免疫抑制剤の影響で、ありふれた感染症が重症化し
命取りになる危険性もあります。

また肝臓移植をして手術が成功しても、アラジール症候群の病変のうち
移植で改善するのは、ほんの一部分にすぎません。
生まれつき血管が硬くなったり、詰まりやすい傾向は肝臓を取り替えても変わらず、
心臓の問題もそのままです。


けれども現状、移植が可能で、少しでもメリット(身体のかゆみがなくなる、
黄疸が消える、コレステロール値が下がる)があると判断された以上、
私たちはお嬢のこれからの日常が少しでも明るくなり、
成長を阻害するものが少しでも減ることを信じ、移植にかけてみようと思っています。
by hui_hui3 | 2008-06-30 11:17 | 生体肝移植について
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アラジール症候群と生きるこどもの日々
by hui_hui3